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妊娠を考えている方・妊婦さんのご家族へ|風しん抗体検査とMRワクチン

解説

妊娠を考えている方や妊婦さんのご家族にとって、風しんへの免疫があるかを確認しておくことはとても大切です。

風しんは、発熱・発疹・リンパ節の腫れなどを起こす感染症です。多くの場合は比較的軽症ですが、妊娠中、とくに妊娠初期に感染すると、胎児に先天性風しん症候群(CRS)を起こすことがあります。

先天性風しん症候群では、先天性心疾患、難聴、白内障などの先天異常がみられることがあります。

風しんはワクチンで予防できるため、妊娠する前に免疫の有無を確認し、必要に応じて予防接種を受けておくことが重要です。


まず知っておきたいこと

妊娠を考えている方は、次の3点を確認しましょう。

  • 風しんにかかったことがあるか
  • 風しんを含むワクチンを接種した記録があるか
  • 風しんの抗体検査を受けたことがあるか

免疫が十分でない場合は、妊娠前にMRワクチンなどの接種を検討します。

一方、MRワクチンは生ワクチンのため、妊娠中は接種できません。

そのため、妊娠を考え始めた段階で、できるだけ早めに確認しておくことをおすすめします。


風しんが妊娠中に問題になる理由

風しんそのものは、発熱や発疹など比較的軽い症状で済むこともあります。

しかし、妊婦が感染すると、風しんウイルスが胎児に感染し、**先天性風しん症候群(CRS)**を引き起こす可能性があります。

CRSでは、

  • 先天性心疾患
  • 難聴
  • 白内障
  • その他の眼の異常
  • 発達への影響

などがみられることがあります。

特に妊娠初期の感染では胎児への影響が大きくなることが知られています。

厚生労働省によると、妊娠12週までの感染ではCRSのリスクが特に高く、妊娠13~16週でもリスクがあります。

そのため、「妊娠してから予防する」のではなく、「妊娠する前に予防する」ことが大切です。


妊娠を希望している方は、妊娠前に確認しましょう

妊娠を希望している場合、まずは過去の予防接種歴や風しん抗体検査の結果を確認します。

予防接種歴が確認できる場合

母子手帳や予防接種記録などから、風しんを含むワクチンの接種歴を確認します。

現在の定期接種では、MRワクチンを1歳時と小学校入学前の合計2回接種します。

一方、成人では生まれた年代によって、これまでに受けた定期接種の回数が異なります。

そのため、「子どものころにワクチンを受けたと思う」という記憶だけではなく、可能であれば母子手帳や予防接種記録を確認することをおすすめします。


抗体検査を受ける方法もあります

風しんに対する免疫があるかどうかは、血液検査で確認できます。

特に、

  • 予防接種歴がよく分からない
  • 風しんにかかったことがあるか分からない
  • 妊娠を希望している
  • 妊娠前に免疫の状態を確認しておきたい

という場合には、風しん抗体検査を検討できます。

ただし、抗体検査を必ず受けなければワクチンを接種できないというわけではありません。

過去の接種歴や年齢、妊娠の予定などを踏まえて、医師と相談して接種方法を決めます。


抗体が十分でなかった場合は?

風しんに対する免疫が十分でないと判断された場合は、妊娠前にMRワクチンなどの接種を検討します。

MRワクチンは、

麻しん(はしか)+風しん

を同時に予防するワクチンです。

風しん単独ワクチンの代わりにMRワクチンを接種することもできます。

MRワクチンは風しんだけでなく麻しんも予防できるため、成人の予防接種ではMRワクチンが選択されることがあります。


妊娠中はMRワクチンを接種できません

MRワクチンは生ワクチンです。

そのため、妊娠中の方には接種できません。

妊娠中に風しんに対する免疫が十分でないことが分かった場合でも、妊娠中にMRワクチンを接種することはできません。

その場合は、

  • 風しんに感染しないよう注意する
  • 流行時には人混みを避ける
  • 風しん患者との接触を避ける
  • 家族など周囲の人の免疫状態を確認する

などの感染予防が重要になります。


ワクチンを接種した後、いつから妊娠できますか?

MRワクチンなどの風しん含有生ワクチンを接種した後は、2か月程度、妊娠を避けることが推奨されています。

これは、ワクチンが生ワクチンであるため、妊娠中の胎児への影響をできるだけ避ける目的です。

「接種後2か月」という点は、妊娠を考えている方にとって重要です。

そのため、

妊娠を考え始める
↓
風しんの免疫を確認する
↓
必要ならワクチンを接種する
↓
2か月程度あけて妊娠を計画する

という流れをおすすめします。


ワクチンを接種した後に妊娠が分かったら?

「ワクチンを接種した後に妊娠していることが分かった」という場合でも、それだけを理由に妊娠を中断する必要はありません。

これまで、風しんワクチン接種後の妊娠で、ワクチンによる先天性風しん症候群が発生したという報告はありません。

ただし、妊娠が分かった場合には、接種したワクチンの種類と接種日を確認し、産婦人科に相談してください。


妊婦さんのご家族も風しん対策が重要です

妊婦さん自身は、妊娠中にMRワクチンを接種できません。

そこで重要になるのが、妊婦さんの周囲にいる人の感染予防です。

特に、

  • パートナー
  • 子ども
  • その他の同居家族

について、風しんの予防接種歴や免疫の有無を確認しておくことが大切です。

妊婦さん本人がワクチンを接種できない期間に、家族が風しんに感染してしまうことを防ぐためです。

厚生労働省も、妊婦のパートナー、子ども、その他の同居家族などについて、風しんに感染しないよう予防に努めることを案内しています。


家族も抗体検査を受けた方がよい?

妊婦さんの家族についても、風しんの罹患歴や予防接種歴が明らかでない場合には、抗体検査を検討できます。

特に、

  • 風しんにかかった記憶がない
  • ワクチンを受けた記録がない
  • ワクチンを何回受けたか分からない

という場合は、一度確認しておくと安心です。

抗体検査の結果や過去の接種歴を確認し、必要に応じて予防接種を検討します。


子どもの予防接種も確認しましょう

子どもについては、MRワクチンの定期接種があります。

現在の定期接種では、

1回目:1歳

2回目:小学校入学前の1年間

の合計2回です。

定期接種の対象年齢になったら、忘れずに接種しましょう。


「昔ワクチンを受けたから大丈夫」とは限りません

成人の場合、生まれた年代によって風しんワクチンの定期接種制度が異なります。

特に、過去の制度では、

  • 接種対象ではなかった
  • 接種機会が1回しかなかった
  • 接種したかどうか分からない

という方がいます。

そのため、妊娠を希望している場合には、年齢や過去の接種歴を確認したうえで、必要に応じて抗体検査やワクチン接種を検討することが重要です。


よくある質問

Q. 妊娠中ですが、風しんワクチンを受けられますか?

いいえ。

MRワクチンや風しんワクチンは生ワクチンのため、妊娠中は接種できません。

妊娠中に免疫が十分でないことが分かった場合は、感染予防に努め、出産後に予防接種を検討します。


Q. 妊娠を希望しています。まず抗体検査を受けるべきですか?

抗体検査を受けて免疫の状態を確認する方法があります。

一方で、過去の予防接種歴などによっては、抗体検査の結果だけで判断せず、接種歴を含めて医師と相談することが適切な場合もあります。

「抗体検査を受けるか」「直接ワクチンを接種するか」は、年齢、接種歴、妊娠予定などを踏まえて判断します。


Q. 風しんに一度かかったことがあります。ワクチンは必要ですか?

風しんにかかったことが確実に確認できる場合には、免疫を持っていると考えられます。

ただし、「子どものころに風しんにかかったと思う」という程度で診断が確認できない場合には、予防接種歴や抗体検査結果なども含めて判断します。


Q. MRワクチンを接種したら、2回目も必要ですか?

必要性は、これまでの予防接種歴や年齢などによって異なります。

成人では「全員が必ず2回」という単純なルールではありません。

過去に受けた風しん含有ワクチンの回数を確認したうえで、必要な接種回数を医師と相談してください。


Q. MRワクチンを接種した後に妊娠してしまいました。

ワクチン接種後に妊娠が判明した場合でも、それだけを理由に妊娠を中断する必要はありません。

接種日とワクチンの種類を確認し、産婦人科に相談してください。


Q. 妊婦の夫ですが、風しんワクチンを受けた方がいいですか?

過去の風しん罹患歴や予防接種歴が明らかでない場合には、抗体検査や予防接種を検討できます。

妊婦さん本人が妊娠中にワクチンを接種できないため、家族側の感染予防は重要です。


風しん対策は「妊娠する前」がポイントです

風しんは、妊娠してからではワクチンによる予防ができません。

そのため、

妊娠を考え始めたら、風しんの免疫を確認する

ことをおすすめします。

特に、

  • 妊娠を希望している女性
  • 妊婦さんのパートナー
  • 妊婦さんの子ども
  • その他の同居家族

は、過去の予防接種歴や抗体検査結果を一度確認してみましょう。


当院でも風しん抗体検査・予防接種についてご相談いただけます

志木ファミリークリニックでは、風しん抗体検査やMRワクチンなどの予防接種についてご相談いただけます。

「自分はワクチンを受けたか分からない」

「妊娠を考えているが、抗体があるか確認したい」

「妊婦の家族だが、ワクチンを受けた方がよいか知りたい」

といった場合もご相談ください。

過去の予防接種歴、抗体検査結果、年齢、妊娠の予定などを確認し、必要な検査や予防接種についてご案内します。

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参考情報

  • 厚生労働省「風しん」
  • 厚生労働省「MRワクチン」
  • 国立健康危機管理研究機構「風しん」
  • 国立健康危機管理研究機構「医療機関における風しん対策ガイドライン」

※本ページの情報は2026年9月時点の情報に基づいています。予防接種の対象、費用、助成制度などは自治体や制度の変更により変わる場合があります。接種を希望される場合は、最新の情報をご確認ください。

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