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高齢者が食べられなくなったとき|自宅でできる栄養・点滴・嚥下支援

解説

「食事の量が減った」「むせることが増えた」「水分もあまり取れない」「認知症が進んで食べてくれない」。高齢の方では、このような「食べられない」という問題がしばしば起こります。

原因として多いのが、認知症の進行や嚥下機能(飲み込む力)の低下です。一方で、肺炎や尿路感染症などの感染症、口腔・歯科の問題、薬の影響、便秘、脱水などがきっかけで急に食べられなくなることもあります。

訪問診療では、単に栄養剤や点滴を行うのではなく、まず原因を考え、食事・水分・栄養、合併症、生活環境まで含めてその方に合った方法を検討します。認知症については認知症の診療についての記事もご覧ください。

食べられない状態が続くと、さまざまな問題につながります

食事や水分が十分に取れなくなると、低栄養や脱水が進みます。低栄養によって筋肉が減ると、飲み込むための力も低下し、さらに食べにくくなる悪循環に陥ることがあります。

また、低栄養や活動性の低下は褥瘡(床ずれ)のリスクを高めます。水分摂取が減れば脱水が進み、尿路感染症などを起こした際に全身状態が悪化しやすくなります。嚥下機能が低下すると、食べ物や唾液などが気管に入り、誤嚥性肺炎につながることもあります。

そのため当院では、「食べられない」という症状だけを見るのではなく、肺炎、脱水、尿路感染症、褥瘡、筋力低下なども含めて全身を診ることを大切にしています。

できるだけ「口から食べる」ことを支えます

まだ口から食べられる場合には、食事の量だけでなく、食べ方や食事形態も検討します。飲み込みやすい食事への変更、栄養補助食品の利用、病状に応じた医療用栄養剤の処方などを組み合わせます。

当院では、嚥下が難しい方などに利用できるニュートリー社の栄養補助食品等のサンプルをお渡しできる場合があります。個々の商品を決め打ちするのではなく、実際に試しながら食べやすさや摂取量をみていきます。

歯や義歯、口腔内の状態が食事に影響していることもあります。必要に応じて訪問歯科と連携し、歯科治療や口腔ケアにつなげます。訪問看護やリハビリテーションとも連携し、食事姿勢、食べ方、嚥下についての評価・指導・訓練を検討します。

「食べる力」を守るため、骨粗鬆症や骨折の予防も大切です

食事の問題というと口や喉だけに目が向きがちですが、身体を起こして安定した姿勢で食事ができることも重要です。

骨粗鬆症を放置すると、背骨の圧迫骨折などをきっかけに円背が進み、食事の姿勢を取りにくくなることがあります。また、大腿骨近位部骨折などで活動量が大きく低下すると、筋力や全身状態が落ち、食欲や摂食機能にも影響します。

当院では、食べられなくなった後の対応だけでなく、骨粗鬆症を診断・治療し、骨折を予防することも、高齢者ができるだけ長く自分の口から食べて生活するための医療と考えています。

食事や水分だけでは足りないときには、在宅で点滴もできます

口から十分な水分や栄養を取れない場合には、状態に応じて点滴を行います。志木ファミリークリニックでは、ご自宅や施設で末梢静脈からの補液や栄養点滴に対応しています。

一時的な脱水への補液だけでなく、経口摂取だけでは栄養が不足する患者さんについても、病状や今後の見通しを考えながら方法を検討します。ただし、末梢静脈から投与できる水分・栄養には限界があります。

胃ろうや中心静脈栄養という選択肢もあります

長期間にわたって口から十分な栄養を取ることが難しい場合には、胃ろうなどを利用した経管栄養や、中心静脈から栄養を投与する方法が選択肢になることもあります。

胃ろうや中心静脈栄養(CV)などの導入が必要と考えられる場合には、本人の病状や希望、ご家族の考えを確認しながら連携する病院と相談して検討します。導入後に在宅へ戻った患者さんの胃ろう管理、経管栄養、中心静脈栄養(PICCを含む)には当院の訪問診療で対応しています。詳しい対応内容は訪問診療のご案内をご覧ください。

「栄養を入れられる」ことと「入れた方がよい」ことは同じではありません

特に認知症が進行した方や人生の最終段階にある方では、どのような栄養管理を行うかを慎重に考える必要があります。

口から食べることをどこまで続けるか、点滴を行うか、胃ろうや中心静脈栄養を検討するか。医学的に可能な方法だけで決めるのではなく、本人への負担、生活の質、これまでの本人の希望、ご家族の考えなども含めて相談して方針を決めます。

「食べられなくなってきた」という段階からご相談ください

食べられなくなったからといって、すぐに「入院するしかない」「自宅では何もできない」というわけではありません。

原因を調べ、食事を工夫し、栄養剤を使い、必要なら点滴を行う。訪問歯科、訪問看護、リハビリなどと協力して口から食べることを支える。さらに必要であれば、胃ろうや中心静脈栄養について病院と相談する。肺炎、尿路感染症、褥瘡などを併発した場合も含めて、できるだけ生活している場所で、その方の全身を診ながら支えていくことが訪問診療の役割です。

「最近食べる量が減った」「むせるようになった」「水分が取れなくなってきた」という段階からご相談ください。

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当院は完全予約制です。外来受診のご予約はもちろん、通院が難しい方の訪問診療(在宅医療)についてもお気軽にご相談ください。

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