ひきこもりの方の支援では、いかに外部の援助機関につなげていくのかを考えることが基本となります。
解決のプロセスは様々であり、必ずこうしなければいけないというものはありませんが、一般的には以下のようなステップで進めると解決につながりやすいのではないかと思います。
- ご家族がひきこもりについて知識を持つ(相談できる場所を見つける)
- ご家族がひきこもっている家族への接し方を学ぶ/変える
- 本人をひきこもり問題に対処できる相談機関へつなぐ
- 本人が相談機関に通いながら問題を解決していく
ご家族が担うのは(1)、(2)です。(3)以降は相談機関の専門家が担うことになります。以下に(1)、(2)に関する情報をまとめておきたいと思います。
ご家族がひきこもりについて知識を持つ(相談できる場所を見つける)
国が設置している公的なひきこもりの相談窓口があります。まずはこれを利用することをお勧めします。
①ひきこもり地域支援センター
ひきこもり地域支援センターは、ひきこもりに特化した専門的な相談窓口です。都道府県、指定都市に設置されています。ひきこもりに関して相談したいと思った時にはまずここに相談するのがよいでしょう。
厚生労働省のひきこもり支援推進事業のサイトでセンターを探すことができます。
②地域若者サポートステーション(愛称:「サポステ」)
地域若者サポートステーションは、働くことに悩みを抱える15歳~49歳までの方に対し、キャリアコンサルタントなどによる専門的な相談、コミュニケーション訓練などによるステップアップ、協力企業への就労体験などにより、就労に向けた支援を行う機関です。
以下のサイトから各地域の地域若者サポートステーションを探すことができます。
https://saposute-net.mhlw.go.jp/
③子ども・若者総合相談センター
ニート、ひきこもりなどの様々な悩みをお持ちのお子さん・若者(概ね39歳まで)とその保護者が相談できる場所です。
以下のページから「子ども・若者総合相談センター所在地一覧」というリンクをたどることができます。
ご家族がひきこもっている家族への接し方を学ぶ/変える
ご家族のひきこもっている本人への接し方は重要です。ご家族の役割は、効果的なコミュニケーション方法を学び、相談機関に本人がつながれるように手助けをすることです。これについてはCRAFTという手法があります。CRAFTはCommunity Reinforcement And Family Training」(コミュニティ強化法と家族トレーニング)の略称です。以下の本が参考になると思います。
当院では訪問診療を行っているため、しばしばひきこもりの方の診療を依頼されることがあります。ひきこもりには様々なケースがあるため、必ずしも訪問診療が適切な選択とは限りません。ご家族が受診され相談を受けながら、上記のようなプロセスで少しずつひきこもりのご本人が外に出ていけるように支援することが一般的な支援方法になると思います。
ひきこもりの当事者の方、ご家族の方の少しでもこの記事の情報が少しでもお役に立ちますことを願っています。
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