肝斑は30歳頃から、両頬にでき始めることが多い、淡いくすんだシミです。肝斑の治療にはトランサミンというお薬が有効です。
トランサミンとは
トランサミンとは “プラスミン”という物質の働きを抑える薬です(抗プラスミン薬)です。
プラスミンには(1)血液を溶かす作用、(2)アレルギーや炎症に関わる作用、があります。(1)を利用して止血薬として、(2)を利用して、湿疹やじん麻疹、のどの痛み、口内炎の治療薬として用いられています。日常的には風邪で喉が痛い時に処方されることが多い風邪薬の定番薬の1つです。
トランサミンの炎症を抑える作用を利用して、皮膚科ではシミの治療にも使われます。しかしシミの治療薬としての保険適応がないため、自費診療の対象となっています。
トランサミンの飲み方
- 1日3回(朝昼夕)トランサミン500mgを1錠ずつ内服していただきます(食前でも食後でもOKです)。
- 治療期間は2-3ヶ月程度です。その後は一旦休薬期間をおき、必要に応じて再度治療します。
- 効果が出てくるのに1ヶ月くらいかかります。シミは徐々に薄くなってくるので毎日見ていると変化に気づきにくいこともあります。治療開始前に写真を撮り、治療開始後にも定期的に写真を撮って比較することをお勧めしています。(全く薄くならない場合、肝斑ではない可能性を疑います)。
治療期間が2,3ヶ月に及ぶため毎日の薬代が気になるところです。当院ではお気軽に取り組みやすいようお薬代を1日100円(税抜)としています。
トランサミンの副作用
副作用は稀なお薬ですが、主な副作用として食欲不振0.61%(18件)、悪心0.41%(12件)、嘔吐0.20%(6件)、胸やけ0.17%(5件)、そう痒感0.07%(2件)、発疹0.07%(2件) 等があると 添付文書に記されています。
市販のトランサミンとの違い
トランサミンを含む市販薬(トランシーノⅡ)もありますが、1日あたり750mgと当院と比べて半分しか含まれていません。これは医師の診察なしに処方する市販薬の制約です。
トランサミンと併用する治療
当院ではシミに有効なグラファ社のメラノキュアも扱っております。