当院ではアレルギー体質に対する根本的治療の1つであるヒスタグロビン療法を行っています。
アレルギーの治療方法
アレルギーの治療には大きく対症療法と根本療法があります。ヒスタグロビン療法は不特定多数のアレルギーに対するアレルギー体質を根本的に改善することを目的とした治療(「非特異的変調療法」)です。
対症療法 | ・薬を使用している間だけ症状を抑える治療です。 ・即効性が期待できますが、薬をやめると症状が再燃します。 ・内服薬、点鼻薬、点眼薬などがあります。 ・抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、ステロイドなどが用いられます。 |
根本療法 | ・アレルギー体質を根本から改善する治療です。 ・根本的な改善が期待できますが、体質を変えるために時間がかかります。 ・特定のアレルギー物質(アレルゲン)に対する治療である「特異的減感作療法」と不特定多数のアレルゲンに対する治療である「非特定的変調療法」があります。 |
ヒスタグロビンとは
- アレルギーを治療する注射薬です。
- 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎、慢性湿疹に有効です。
- 国内で採取された献血血液(ヒトの血液)から製造されるお薬です。
- ヒト免疫グロブリンに微量のヒスタミンを加えた配合剤です。
- 昭和42年に国内発売されており長い歴史があります。現在に至るまで感染症を起こしたことはありません。
ヒスタグロビンの作用機序
- 好酸球の浸潤を抑制し、アレルギー症状の悪化・慢性化を抑えます。
- 肥満細胞からのヒスタミン放出を抑え、アレルギー諸症状(くしゃみ、鼻水、かゆみ、浮腫など)を改善します。
- ヒスタミンに対する抵抗力を与えます。
治療の実際
- 通常1回1バイアルを成人では週1〜2回、小児では週1回の間隔で3回又は6回注射し1クールとします。(通常、成人は週1回x6週間で1クールです)。
- 十分な効果のあらわれない場合には更に1クールの注射を行います。この場合、成人に対しては1回投与量を最高3バイアルまで増量することができる(当院では2バイアルまでとしています)。
- いったんあらわれた効果を維持するためには3〜4ヵ月ごとに1回の注射を反復します。
主な副作用
- 蕁麻疹、喘息発作、頭痛、注射した部位の痛み、発熱、肝機能の一時的な悪化(AST,ALT)、ショック(まれ)などがあります。