PITとは
単純疱疹(口唇ヘルペス又は性器ヘルペス)の再発でお悩みの方へ朗報です。ヘルペスを繰り返される方はご自身でヘルペスが出始めたということがおわかりになると思います。この時期にすぐに治療薬(ファムビル)を内服すればヘルペスは早く治ります。Patient Initiated Therapy(PIT)や、1 day treatmentと呼ばれ、海外では以前から標準治療でした。残念ながら日本では保険適応のない期間が続いたため、ヘルペスを発症してからファムビルを5日間飲む治療法が一般的でした。しかし2019年2月より日本でもPITの保険適応が認めらました。
PITのやり方
- ファムビルを1回1000mg、2回内服します。
- 1回目は自分でヘルペスが出始めたと思った時から6時間以内に内服します。
- 2回目は1回目の内服から12時間後に内服します。
- なお腎機能の悪い方は内服量を減量します
腎機能に応じた減量の目安
腎機能 | ファムビル使用量 |
通常 | 1回1000mg(4錠)を2回 |
CLcr 40~59mL/分 | 1回500mg(2錠)を2回 |
CLcr 20~39mL/分 | 1回500mg(2錠)を単回 |
CLcr 20mL/分未満 | 1回250mg(1錠)を単回 |
PITの対象となる方
PITの治療の対象となる方は以下の条件を満たす方です。
- 単純疱疹(口唇ヘルペス又は性器ヘルペス)の同じ病型の再発を繰り返していること(臨床症状に基づき確認する)。
- 同じ病型の再発頻度が年間3回以上であること(問診等により確認する)。
- 再発の初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)を正確に自分で判断可能であること
- 妊娠していないこと・妊娠の可能性がないこと
- 授乳中でないこと
PIT服用中の注意事項
- 初回の服用は、初期症状(患部の違和感、灼熱感、そう痒等)出現後速やかに(6時間以内)服用すること。
- 2回目の服用は、初回服用後12時間後(許容時間として6~18時間後)に服用すること。
- 再発の初期症状出現後6時間以内に初回の服用ができなかった場合で、皮疹発現後の治療を希望する場合は、医療機関を受診すること。
- 本剤処方後に妊娠・授乳中又は妊娠している可能性があると判明した場合は、本剤を服用せずに処方医師に相談すること。
- 服用中、服用後に気になる症状があらわれた場合や異常(症状の増悪を含む)を感じた場合は、放置せず、すぐに医師・薬剤師に相談すること。
処方できる錠数制限
PIT分として患者さんが手持ちできるのは1回分のみとなります。正確には受診時期によって以下3つのパターンがあります。
- 再発後6時間以内に診察→今回PIT分(8錠)+次回PIT分(8錠)=16錠
- 再発後6時間以降の診察→今回治療分(15錠)+次回PIT分(8錠)=23錠
- 上記以外→PIT分(8錠)
受診方法
繰り返す単純疱疹(口唇ヘルペス又は性器ヘルペス)に対するPIT治療をご希望の方は、志木ファミリークリニックまで お電話(048-487-7681)またはクリニック窓口にてご予約ください。